(1/3)「ガイジンと結婚?」

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            1/3 『 ガイジンと結婚?』

日本で暮らしていた頃、仕事がらみで英会話スクールの夜のコースに通っていたことがある。
クラスで一番熱心だったのは、私より数歳年下の女性Aさん。当時はまだ大学生だった。

そのAさんからある日、こんな打ち明け話しを聞かされた。
「私ね、ゆくゆくは仕事をみつけてイギリスで暮らすつもりなの。
本音を言えばぁ、イギリス人と結婚できればいいなぁと思ってるんですけどねぇ‥‥」

偏狭な世界観のよどみの中で生きていた当時の私は、彼女の甘ったるい喋り方にお局さまモードで異議を唱えたくなった。

「外人と結婚? 私はゴメンだわ。数年くらいだったら外国に住んでみるのもいい。外国の人と友だちになるのも悪くない。だけど結婚でしょ? ずっとそこであっちの人と暮らすわけでしょ? 想像するだけでストレスがたまりそう。価値観が違うもの。『あ・うん』というわけにはいかないわよ」

鼻息を荒げてまくしたてる私に、彼女はスパッと切り返してきた。

「それじゃあ日本人と結婚すれば、ストレスが少なくなるとでも言うんですか?! 日本人であろうとイギリス人であろうと、一緒に住んでいれば価値観のズレはどこかに出てきます」

さっきとはえらい違いだ。

「それに、あなたが言うのは単に馴れ合いってことじゃないですか? 
あっ・うんの呼吸で暮らせる夫婦なんて、めったにいないと思いますけどね」

いきなり10年も20年も年を食ったような彼女の口ぶりに、私はただただうろたえるばかりで二の句が継げられなくなってしまった。


ところが‥‥。
いやはや、人生とはまったく奇妙なものである。
何年か後にはAさんと私の立場が逆さまになってしまったのだ。
AさんはAさんで故郷に住む高校時代の先輩と結婚することになったし、私は私でガイジンとガイコクで暮らすことになったのだから。

春めいてきたある日、友だちの一人に思い切って打ち明けてみた。
「わたし、スイス人と結婚するかも‥‥」

とっさに彼女は眉間をギュッと寄せて、ク〇真面目な顔で訊いてきたものだ。

「あれっ? 今日は4月1日だったっけ?」

ーーー つづく ーーー


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※このあと「(2/3)」に続きます。
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※ 今日の写真 2015年5月11日、グラウビュンデン州のGuarda→Ardezをハイキングしながら撮影

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