(2/3)決断力のなさに、トホホホ

s-2015-05-11 056 (2)


今日の記事は昨日の『(1/3)』からの続きです。


*************************************
            『決断力のなさに、トホホホ』

決断するまでの心の葛藤は並大抵のものではなかった。
それこそ脳みそが原型を留めなくなるほど悩みに悩み、考えに考え抜いた、その末の決断だった‥‥。

‥‥はずなのだが、どっこい、日本を離れる日が近づくにつれて、またもや気持ちが大きく揺れ始めたのだ。
誰かに後ろ髪をグイグイ引っ張られているようで、寝ても覚めても首や肩のあたりが重い。

ワラをも掴む思いで新宿の街角に立っている占い師のところへ走った。
占い師に手相をみてもらうのは初めての経験だ。

「あの‥‥、ヨーロッパへ行って向こうの人と結婚するかもしれないんですけど、どうなんでしょうね。うまくいくでしょうか?」

蚊のなくような声しか出てこない。

「あ~、これは間違いなく離婚しますね」
占い師は淡々とそう言うと、今度は念を押すように訊いてきた。

「あなたの家系には離婚している人が何人かいるでしょ?」

さてと‥‥。
私は、結婚している姉たちや叔父や伯母など親戚一同の顔を思い浮かべてみた。

いない。誰もいない。うちの家系には離婚経験者が誰もいないことに、このとき初めて気が付いた。

いや~、待て待て。役所の帳簿には✖印がついていなくとも、家庭内離婚ってこともあるしなぁ。
うちの両親だって、わかりゃしないぞ。そのくちだった可能性は大いにある。

病弱だが気が強くて飛び切り頭が良かった母と、頭も気も弱かった父とでは合うわけがない。
結婚する前から既に家庭外離婚をしていたんじゃないか? 

と言ってもあくまでもこれは、子どもの時の私が父と母の間を流れる空気だけで感じとっていた憶測にすぎない。
だけど今となってはもう確かめようがない。母は私が反抗期の頃に、父は私が夫と知り合う前に亡くなった。

そうかぁ、離婚ねえ。
国際結婚どころか結婚そのものに自信がもてない私には、あり得る話しだ。

そのとき、背後からくぐもった声が聞こえてきた。
振り向くと、私にそっくりの顔をした小鬼がいた。
はは~ん、後ろ髪を引っ張っていたのもこいつだな。

≪結婚は何かのご縁だっていうけれど、離婚だってやっぱり何かのご縁だよ。そうなったらそうなったで、離婚の縁に乗っかって生きてけば、人生、また面白いことに出くわすって≫

ムッとした。

≪よく言うよぉ。海を越え山を越え、砂漠を越えてだよ。わざわざスイスくんだりまで離婚のご縁に乗っかりに行くんかい≫

≪1億光年の彼方へ飛び立つわけじゃあるまいし‥‥。ちっぽけな地球船の中をちょこっと移動するだけじゃないか。グダグダ考えないで一度、彼と暮らしてみるこった≫

≪さっきまでは髪を引っ張ってたくせに、今度は押しかい!≫

あっけにとられる私にお構いなく背中をグイグイ押してくる。
米粒ほどしかないちっぽけな鬼なのに、横綱級の力で押してくる。

そうやって押されているうちに、朝が来て夜が来て、また朝が来た。

気が付いたらスイスの方角に頭を向けて、ぐっすり眠れるようになっていたのだ。

どうやら私は、自分の中に棲みついている小鬼に押し切られてしまったらしい。


ーーーつづくーーー

***************************
このあと『(3/3)』に続きます。


s-2015-05-11 038 (2)


※今日の写真も昨日の写真と同じ場所で撮影。

ヨーロッパランキング

2018-04-17 04:07 : 【道草プロフィール】 :
« next  ホーム  prev »

ブログランキング&ブログ村

お知らせ

できるだけ多くの人に教えてあげた方がいいような情報や、間違いを指摘して下さったメールなどは、承諾を得た上でブログに転載させていただくこともあります。コメント欄は必要時以外は閉じていることの方が多くなりますが、あしからず。

カレンダー

08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード

QR

RSSリンクの表示