夫と私の場合*こんなに違う動物の鳴き声 

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(2017/10/15  裏山(ユートリベルク)から燃える夕日を撮影)
******************


夫と私はある日、旅に出た。

我々は乗り換え駅で列車を待っていた。


「いいかい。見てごらん。線路のあそこの箇所に電気が(‥‥これこれで、だから、こうこうで‥‥。結局、よう解からんので、省略)。で、そこのところのレールに隙間が空いているのが見えるかな?」 

「うん、見える」 

「あれは寒暖の伸縮に合うように空けてあるんだけど、あそこを通るときに、ダタン・ダタンって音がするんだよ」

「へ~、知らなかった。レールにそんな隙間があったんだぁ」 

単純な私は大発見でもしたかのような気分になってレールを凝視した。

また急行列車が通り過ぎて行く。

「確かにあそこを通るときに、ガタン・ガタンって音が出てたね」 

「ガタンガタン? 私の耳にはダタン・ダタンって聞こえるけど?」

しかしガタンとダタンでは一字違うだけだから、言われてみればダタン・ダタンにも聞こえるような気がする。


そうこうしているうちに列車がホームに入ってきた。

我々はガラ空きの普通列車に乗り込み、4人掛けの座席の窓側に夫と向かい合って腰を下ろした。

外に目をやると、草原で井戸端会議を開いている(らしい)数羽のカラスが見えた。

透かさず夫に訊いてみる。

「それじゃ、カラスはどう鳴くの?」 

「ラーラーラー」 

「えっ!? 私の耳にはカーカーカーって聞こえるよ」


そうだ!思い出した。

「38年前に日本で初めてセミの鳴き声を聞いたとき、フィーフィーフィーって鳴いてるって言ってたよね?」。 

「そうそう、フィーフィーバードね」

樹の上で鳴いていたので最初は、てっきり鳥だと思ったらしい。

すぐに昆虫の一種だと気付いたようだが、我々の間では今でもセミの呼び方は
フィーフィーバードで通している。

もちろん、夫が生まれ育ったスイスの東北部にも、今我々が暮らしているチューリヒにも(まだ)セミはいない。


「日本じゃ犬がワンワンって鳴くのは知ってるよね? 
あのね、日本のお隣の国、韓国じゃあ犬は『モンモン』って鳴くんだって!
あははは、モンモンだよ」     

笑う私に遠慮したのだろう。夫がモソッと言った。 

「う~ん、私の耳にはワンワンよりも、モンモンの方が犬の実際の鳴き声に近いような気がするけどなぁ」。 

うっ! ほんまかいなぁ。

「私自身の耳には犬は、ヴァオヴァオ、ヴーヴーって聞こえるけどね」 

「えっ!犬が、ヴーヴー? 日本じゃ、それ豚だよ。じゃあ豚はどう鳴くの?」 

「グルンス・グルンスって鳴くよね」 

アハハハ。 

「それじゃあ、馬は?」 

「ビヒー・ビヒーだろうな」 

「びひー・びひー? アハハハ。日本じゃあ、ヒヒーンだよ」 

夫は夫で私のヒヒーンの音がおかしくて、目の周りをクチャクチャにして笑っている。

「じゃあ、ニワトリは?」 

「ギュッギュルギュー」 

私は派手に吹き出した。 

「あれは日本じゃあ、コケコッコーだよ」 というと、今度は彼の方がドドッと笑いころげた。 

「日本のニワトリは、何とも不思議な鳴き方をするんだね。今度日本に行ったら、日本のニワトリの鳴き声をじっくり聞いてみることにするよ」  

そう言うと夫は、ニッと笑って目をバシャッと瞬(しばたた)かせた。


          

          (下の写真は無料日刊紙『20minuten』から拝借)
              
               びひー、びひー ( ´艸`) 
               s-20181005_124352 (2)

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2018-10-09 05:46 : 【エッセイ/二つの国の狭間で】 :
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