我々人間は「紅葉」を誤解している

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ここヨーロッパでは落葉樹のほとんどの葉が秋には黄色(金色)に変わっていくが、日本の晩秋のイメージといえば、やっぱり紅葉。

一昨日の記事でも触れたように、紅葉は昼夜の気温差が大きいほど赤の鮮やかさが増すらしい。

私は葉っぱの気持ち(があるとすれば)も知らずに、これまでは紅葉の海に単純に感動を覚えハシャイでいた。

イヤ今でも感動は覚えるのだけれど、葉っぱが赤くなるその仕組を知ってからは、その感動の覚え方に情が入るようになったのだ。

昨年、東京の本屋で紅葉の解説箇所を立ち読みしていて、次第に「紅葉」に感情移入してしまい、とうとう買ってしまった1冊。それが『面白くて眠れなくなる植物学』(著者/稲垣栄洋/PHP研究所)。(^^;


木々の葉が光合成を行う器官であることは、みんなガキの頃に学校でお勉強をした(or させられた)。そして、その光合成で化学反応を起こして糖を作り出すことも教えてもらった。

で、日差しが弱くなり気温が下がってくる秋には、光合成の効率が悪くなる。当然糖の生産だって悪くなり、本体である木の幹から貴重な水分や栄養分を吸い取るだけの存在になってしまう。

幹にしてみれば、「ただメシ」を食わせるようなものかも知れない。(^^;

と言っても幹が葉っぱを、すぐに勘当するわけではない。

葉っぱにあったタンパク質をアミノ酸に分解して回収する作業を終えてから、水分や栄養分が葉っぱに行かないように、葉の付け根に層を作って遮断するらしい。

ここで葉っぱの命がつきてハラハラと落ちるに任せるだけなら、私も情は移らなかっただろう。

ここからが始まりなのだ(笑)。


扉に鍵をかけられてしまった葉っぱはどうするかというと、幹が回収しきれなかった、ホンの僅かな水分と栄養分を使って光合成を行うのだ。

勘当されているのに、なおも懸命に糖を作り出して本体の幹に届けようとする。

幹に通じる管にはすでに鍵がかけられてあるので、いくら糖を作っても幹には届かない。

とすると、糖分は葉っぱに貯まっていく。

で、その貯まった糖分からは「アントシアニン」という赤い色素が作られていく。

一方、細々と光合成を続けてきた葉の中の葉緑素は、気温が下がるにつれて崩れて行く。

葉緑素が崩れてしまうと、葉に貯まっていたアントシアニンの赤い色素だけが目立つようになる。

それが「紅葉」なのだと著者は言う。


私は思った。

「紅葉」は、やがて命尽きる葉っぱの、最後の炎かもしれない。
それとも葉っぱの赤い涙?(^^;


ところで、この本の著者は男性だからだと思うが、幹に遮断された葉っぱの運命を「リストラ」と結びつけて語っている。

私はそうは思わなかった。すぐに脳裏を駆け上ってきたイメージが『マッチ売りの少女』だった。(^^;

葉っぱのラスト炎と、凍えるような寒さの路上でマッチの炎で暖をとりながら天に昇って行く、あのいたいけな少女。

私の目にはこの二つがぴったり重なったのだった。


 




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