「酔うためではない 味わうために飲む」と息巻いた夫だったが

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アルコールといえば、結婚前の夫のことで未だに忘れられない出来事がある。

舞台は東京の或る有名なホテルのバー。

カウンターは避けてゆったり寛げるホールの方に席をとり、注文をとりに来てくれるのを待っていた。

間もなくボーイさんがやってきたので、夫は〇〇ウイスキーを頼み、ハッキリこう念をおした。

「氷は入れないでください」 


間もなく運ばれてきたウイスキーには、マッターホルンのような氷が入っていた。

ボーイさんは軽く一礼して我々から離れていった。

夫は何も言わずにガバっと立ち上がると、サッと伝票を持ってレジーに向かった。レジーでも口を閉ざしたまま支払った。

冷静さを装ってはいるが、内側ではかなり腹を立てているんじゃないか。

問答不要の壁を感じた私は、疑問を胸底に押し込んで一緒に外に出た。


そしてその後、私たちは結婚し、さらにそれから数年が過ぎたある日のこと。

コンサートの帰りに夫の希望でバーに立ち寄った。

彼が注文したのはウイスキー。

胸底で眠っていたあのときの疑問が突然頭をもたげてきたので、すかさず彼に訊いてみた。

「あんとき何で文句を言って取り替えてもらわなかったのよぉ」

結婚して数年も経つと、大和撫子も口うるさい山のカミ(さん)に豹変する。

「もしかすると氷だけを抜いて、そのまま持ってくるかもしれないし、そうじゃないかも知れない。もし前者だったら私の印象は、もっともっと悪くなっていたね」

「すぐ氷を抜いても味は変わるの?」

やっぱりアホなことを訊いてしまったらしい。軽蔑の眼で一笑に付されてしまった。

「こんなに美味しいものを氷で薄めて飲むなんて信じられないよ。私は酔うために飲んでいるんじゃない。味わうために飲んでいるんだから酔いそうになったら、もう飲まない。もったいないよ」

私の周りにはこういう飲み方をする人は皆無だっただけに、思わず「よっ、クール!」と声をあげてしまった。



ただ残念なことに、近頃は若いときよりも量が増えてきた。

彼も歳なのか、どうもこのところ味覚がボケてきたような気がするのだが‥‥。



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          (今日の写真は2枚とも 2016/11/03 ベルン州にて撮影)








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2018-11-26 09:51 : 【暮らし/その他】 :
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